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ふくおかメイドプロジェクト

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vol.32「博多独楽」

10.1.17





















32 博多独楽(はかたごま)
静に廻る、技と芸の鍛錬
新年第一号の「県産品ノート」は、日本のお正月の風景には欠かせない逸品をご紹介します。独楽の日本での歴史は、中国から子どもの玩具として竹製の唐ゴマが伝来したおよそ1300年前が始まりといわれます。初めての日本発祥ゴマと言われる「博多独楽」の誕生は、17世紀後半。木台に鉄芯を打ち込む『心棒』をもっているのが特徴です。「博多独楽」は、その『心棒』のおかげでバランスが保ちやすく、少ない振れでよく廻るので、独楽自体の可能性を飛躍的に向上させます。遊びの中で競いあいながら独楽の腕が磨かれ、回転中に手にとって移動させるなど、上達者の中には、曲技を見せるものが現れ、刀や扇の先で回す「曲芸」へと進化を果たしました。『独楽師』と呼ばれる人々は、やがて小屋をもった興行として各地を回るようになります。上方で人気を博した博多独楽の一座は、江戸へと上り大流行。あまりに人気が高いので禁止令さえも出たほどだと伝えられています。現在に残る江戸の曲芸独楽も、実はその当時、博多独楽の一座から手ほどきを受けたものだといわれています。つまりこの芸は、福岡を発祥地として全国に伝わったということです。子どもの頃に、地面で廻っている相手の独楽にむけて、紐でまいた自分の独楽を叩きつける「けんかゴマ」を体験した方も多いでしょう。そのような「遊びの独楽」と前述の「曲芸の独楽」のどちらも総じて「博多独楽」と呼ぶのは、そういう歴史に基づいたものです。博多のまちに伝統芸能として伝わる「曲芸の博多独楽」は、一度は廃れてしまいますが、初代筑紫珠楽によって復興され、昭和33年には福岡県の無形文化財に指定されました。「芸の継承はもちろんですが、この歴史を語り継ぐことや独楽の作成技術を守っていくことは、博多独楽の継承者として、どれ一つ欠かせない大切なものです」とは、博多独楽家元の二代目をつとめる筑紫珠楽さん。曲芸者の手に合ったものが芸具としてよいという考えから、総漆仕上げの曲芸用の独楽は、独楽師が自ら作成することが最善だとされています。伐採した木の乾燥から入れると、約5年の歳月をかけて作り上げるものですが、100個作っても曲芸用には、そのうちの2個か3個。バランスが大切な高い精度を必要とする独楽ということがわかります。それぞれの独楽の重みや大きさは、演目によって違っているため、芸を磨くことは、独楽の制作によるところも多いわけです。刀の剣先を走る「博多独楽」を一度見てみたくなりました。

取材協力:博多独楽 宗家二代目 筑紫珠楽

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