四万十 ①メディア広報 ②サイン計画・設置
四万十川流域は「日本最後の清流」と呼ばれ、その雄大な水流、「沈下橋」に代表される地域の暮らしに根付く特徴的な景観を持ち、文化庁によって重要文化的景観として選定された地域です。
この重要文化的景観というスキームは、価値ある文化財なのですが、日々の生活に根ざした身近な景観であるため、観光客だけでなく地域住民も日頃その価値にはなかなか気付きにくいものです。
私たちは、地域の価値を観光的な側面で地域外にうまく伝えることだけでなく、地域内の文化を守る意味についても伝えられる情報のあり方をデザインしています。
私たちは、まず四万十市役所でのウォーキングやサイクリングで観光を巡る方々にもわかりやすい「観光案内サインの計画と設置」、オリジナルの「小さな旅」コースを堪能できるWEBサイトの制作、四万十到着後でも様々な魅力を発見できるパンフレット発行など、幅広い情報発信を有機的につなぐ広報戦略を展開し新しいコミュニケーションをデザインしました。
四万十川流域には四万十市だけでなく、連続する4つの市町も重要文化的景観として認定されています。この四万十市でのデザインから拡がるように他の四万十川流域の市町とも連携する広報計画のデザインも始まりました。
行政担当者たちが集まり情報共有を行う「四万十川流域文化的景観連絡協議会(文景協)」に参加し、それぞれの立場から見えるコミュニケーションの課題を設定し直し、広報計画に落としていきました。それは、これまでつながっているようでつながりの浅かった5市町に新たな連携をもたらしています。ここからアウトプットされた最新のメディアは、「定番」と「意外」という2つの切り口のマップです。これにより初めて訪れる方も、リピーターも、地元の方も興味を持てるものとなりました。直面する課題である「川以外の魅力」を観光客に伝えていくこと、文化的景観についても合わせて知ってもらうこと、という2つのニーズに応えるものができました。
このように今後も四万十の本当の魅力とそこに根付く暮らしの風景を伝えるための動きをサポートしていきます。