#SocialDesign

Basic Concept of Reconstruction
of Hoshu Gakusha

被災地域のアイデンティティの場

ほうしゅ学舎(東峰村)

突然の災害発生という不可避の状況に直面した人々のために、できるデザインは何か。私たちは人々の復興のための気運を高めるための、地域のアイデンティティの再構築に携わりました。
2017年に北部九州を襲った豪雨により、東峰村の多くの住民が通った小学校を利活用した農村ツーリズムの宿「ほうしゅ楽舎」は壊滅的な被害を受けました。地域住民は災害発生で自信や誇りを失いかけましたが、住民会議の中でもほうしゅ楽舎の再建を望む声が大きく、復興のシンボルの一つとして、再建に取り組むことが決まりました。
未だ喪失感が残る地域でデザインしたのは、20年後でも機能する公共施設の再建計画でした。「観光客だけでなく、地域のみんなも集まれる場所を」という住民側の意見を基本構想の中心に据え、宿泊機能だけでなく来訪者との交流機能や、避難場所・防災機能を併せ持つ施設とする「ほうしゅ楽舎再建基本計画」を委員会形式で作成しました。
また多くの地方が持つ問題「安定した運営をするための体制づくり」という課題にも対応すべく、オペレーションの面でも運営計画の立案のデザインなどを行っています。
令和3年度はさまざまな要因でハード建造のためのコスト高が続いたこともあり、仕様や機能の見直し、そして同時にソフト面も調整するための「管理運営計画」を策定。この計画に基づいた指定管理者の募集を経て、令和5年度の完成、村のシンボルの復活を目指しています。