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ふくおかメイドプロジェクト

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vol.09「柳川まり」

09.3.29
























09 柳川まり(やながわまり)

やさしい伝統を紡ぐ
今回の県産品ノートは、春の訪れを色とりどりに飾る「柳川まり」です。子から孫へと受け継がれる“女の子”の伝統についてご紹介します。
「柳川まり」は、立花藩の城下町として栄えた柳川で生まれた布細工で福岡県南部の筑後地方では、ひな壇飾りである「さげもん」に必須な飾りものとして、現在でも広く受け継がれています。
少し横道にそれてしまいますが、この地方では、女の子の初節句に大小の「柳川鞠」と鶴やうさぎ、宝袋などのぬいぐるみが組み合わされた「さげもん」が、ひな壇の周りに飾られます。これは、江戸時代末期に殿中の腰元たちが着物の端切れを使って、琴の爪などを入れる袋物としていろいろなものを形どって作っていたものを吊るして飾ったことが始まりだと言われ、女の子の健やかな成長と一歳でも長く生きて欲しいという願いが込められたものです。当時の長寿“人生五十年”にちなみ、小まり24個とぬいぐるみ24個を交互に7個づつ、7本をさげ、中央に大きなまりを2個つけて、合計51個から構成されています。
えっと、話は「まり」に戻します。この柳川まり、作り方には、とにかく手が込んでいます。糸状の木片(角を落とした際に出るカンナ屑ような)を丸め、綿と毛糸によって球状に丸く成型した巻芯をつくり、そこにカラフルな糸を絵柄を構成しながら、巻きつけ刺繍していきます。巻きつける糸は、従来の草木染の木綿糸に加え、現在では色彩がカラフルなリリヤン糸も多く用いられるようになっており、大きさの違いはもとより、いろいろなモチーフを表現する絵柄の種類も多様で、製作者である地元の婦人同士がそれぞれの得意な絵柄を教えあいながら作り出されています。
「本来の風習では、自分の家の子や孫の節句にあわせてコツコツと作っていくもの。これからは若い人たちも作り方を覚えて、身内の健康を願う、このやさしい伝統を受け継いで欲しいですね」とは、柳川まり保存会の北島妙おばあちゃん。子や孫の話に花を咲かせながら、保存会の皆さんと一緒に「まりづくり」の毎日です。
「手間をかけること」。現代社会のスピードに追われている僕たちにとって、そのありがたさや尊さは、少し遠ざかりすぎた「実家の愛情」に似たものがあります。一つ一つの出来栄えをやさしく眺めるおばあちゃんたち。
そのようすは、地元柳川が産んだ詩人、北原白秋の詩にも詠まれるほほえましい光景です。


柳川まり保存会 0944-72-2909

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