Crik Press

CONTENTS

ふくおかメイドプロジェクト

PROJECT

vol.55「木蝋」

10.9.25

西日本新聞「県産品ノート」第55号(10月4日掲載)は、
筑後地方で古くから作られている「木蝋(もくろう)」です。

取材時に、なかなか理解ができずにしつこく質問してしまったのは、

「きっと、木蝋だけを作っている訳じゃないだろう」
と思い込んでしまっていたこと。

生計は、主力となっている「パラフィン(石油性)」を使ったろうそくでたてているんだろう。
などとタカをくくっていたこと。

などがあって…。

木蝋の評価について、全然知らなかったですね。
だからこそ取材って面白いなあと思いつつ、
「ようやくわかったか!」って時の荒木氏の顔が忘れられない感じです。



※掲載記事(修正前)は下記の通りです。


55 木蝋 自然の恵みの温かさ

 昔ながらの田舎道に赤く色づく大きな木。今回の県産品ノートは、そんな懐かしい秋の風景をおもい浮かばせる伝統産業の紹介です。
 「木蝋」は、ウルシ科のハゼノキ(櫨)の果実から抽出される素材で、写真にもあるように「和ろうそく」の原料として広く知られますが、大相撲の関取たちが髷を結う「ビンツケ油」に使われるなど、古くからその用途は幅広い分野におよんでいます。また、ヨーロッパをはじめとする海外にも「ジャパンワックス」として輸出され、口紅などの化粧品や医薬品、色鉛筆やクレヨン、コピー機のトナーやインクリボンなど、そのつやとしなやかさには、石油製品などの化学物質では表現できない自然の恵みがあり、あらゆる分野の技術者からも注目を集めています。
 かつては、西日本を中心に幅広く生産されてきた木蝋。中でも、筑後地方は一大産地として知られ、明治40年代頃をピークとする最盛期には、製作所が50軒にものぼる程でした。その後、昭和30年代までは、ポマードなどの需要でしのいでいたものの、価格が安い石油系のパラフィン蝋の出現やろうそくの消費減少もあり、生産は急速に減少。現在では、木蝋の製造元と呼べる業社は、全国で3軒を数えるまでになってしまいました。
 「需要が減ったこともありますが、一番の課題はハゼの実の収穫が減っていることなんです」とは、江戸時代(1850年代)から木蝋を作り続ける荒木製蝋の荒木眞治さん。かつては、その原料となるハゼノキが農家の裏庭に植えられ、重要な換金作物として冬場の生計を支えていましたが、契約農家の高齢化や5メートル以上にもなる樹木に登る危険な作業、取引される単価の下落など、収穫量の確保は年々難しくなっているそうです。
 「売れなければ生産者に実を採ってもらえません。後継者を育てるためにも、木蝋が持つ魅力を丁寧に伝えていくことが大切なんです(荒木さん)」。木蝋は、前述の幅広い用途と併せて、毎年実を採り続けることができるリサイクルが成り立つ製品としても、大きな注目を集めています。そのやさしい特徴に魅了された市民団体によって、和ろうそくを使ったキャンドルナイトや制作のワークショップ、植樹活動などと取り組みの輪も広がりつつあるようです。
 ハゼノキは、日本の秋を赤く色づける樹木。文化を守り育てることが、美しい原風景を守ることにつながっていることを再確認させられる取材となりました。

取材協力: 荒木製蝋合資会社 0944-22-5313

このプロジェクトの過去の記事

すべての記事をみる

ふくおかメイドプロジェクト

WORKS

西日本新聞「県産品ノート」第60号(12月20日掲載)は、&...

10.12.18

ふくおかメイドプロジェクト

WORKS

西日本新聞「県産品ノート」第59号(12月7日掲載)は、福岡...

10.12.5

ふくおかメイドプロジェクト

WORKS

西日本新聞「県産品ノート」第58号(11月18日掲載)は、海...

10.11.21

ふくおかメイドプロジェクト

PROJECT

西日本新聞「県産品ノート」第57号(10月25日掲載)は、知...

10.10.23

"文化"に関する記事

CRIKの仕事メディア

WORKS

当団体の”黄色い衝撃”!。CRIK ...

17.9.7

金印ロードプロジェクト

WORKS

うららかな春の雰囲気です。昨日から福岡城跡、舞鶴公園で始まっ...

16.3.26

金印ロードプロジェクト

WORKS

今年2月から、福岡市博物館が事務局となり取り組んでいる博多湾...

16.3.10

CRIKの仕事メディア

PROJECT

団体パンフ。堂々の完成報告です。九州コミュニティ研究所のミッ...

15.10.20

©2018 NPO Community Reserch Institute of Kyushu.
タグ一覧
市民活動   NPO   デザイン   メディア   ローカル   まちづくり   文化   空間   公園   アート   子ども   教育   歴史   都市   環境      道の駅   健康   ブランディング