私たちは、地域の公共施設の管理・運営を担う「指定管理事業」をはじめ、さまざまなかたちで公共サービスに関わる仕事を行っています。
公共サービスの現場では、「そもそも情報が届いていない」「わかりづらい」「発信の質にバラつきがある」といった課題に出会うことが少なくありません。そこで私たちは、ひとつひとつの事業に合わせて広報の計画を立て、積極的な情報発信を心がけています。
公共の情報は、年齢、国籍、文化的背景、障がいの有無など、多様な人々に向けて発信する必要があります。私たちは常に「どんな情報なら、誰にとってもやさしく、届きやすいのか?」という問いに向き合いながら、必要に応じて新しい技術も取り入れ、情報の伝え方を丁寧にデザインしています。
また、公共情報の発信は持続性の視点も欠かせません。デザイナーの導入で初回だけ美しく整っていても、その後が続かず、従来の方法も断たれてしまった――そんな事例が地域でも見られます。私たちは“かたち”だけでなく“仕組み”も含めて、持続性やコスト管理も見据えた情報発信のあり方を考えるようにしています。
たとえば、私たちが携わる地域交流センターでは、上記の2つの視点を取り込みながら情報発信を行っています。外国籍の方や視覚的サポートが必要な方にも配慮して、案内表示やパンフレットに英語やピクトグラムを取り入れ利用のハードルを下げています。
また、各センターでは年4回の情報誌を発行。取材から編集・デザインまでを指定管理者が担う体制とすることで、地域や団体の活動もきちんと紹介できる、安定した情報発信につなげています。さらに「あすみん」では、紙媒体から一歩進み、オンライン配信型の情報誌へとリニューアル。より多くの人に届けられるように工夫を重ねています。
このように、私たちは情報デザインを通して、公共サービスにおける「伝わる・続く・ひろがる」かたちを模索しています。プロジェクトごとに仕組みをつくりながら、地域に根づくロールモデルとして展開し、社会の中に新しい価値を育てていくことを目指しています。