折尾駅周辺は、近くの堀川沿いに小さな居酒屋が軒を連ねどこか懐かしさを感じる昭和の風景やレンガを斜めに積み上げる「ねじりまんぽ」という珍しい工法で建設された赤レンガ造りの高架橋など、市民のコミュニケーションの場でした。
この事業は、旧駅舎の解体から10年が経過し再建された折尾駅舎と駅前広場が、これまでと同じように、市民にとっての活動の場、コミュニケーションの場であること広く市内外にPRするとともに、これからの折尾のまちづくりの担い手を発掘することを目的としています。そのために私たちは、この事業を大きく2つのコンテンツで構成しました。
1つは、近隣の建築系大学生サークルとともに、折尾駅を中心とした市民活動の活性化につながるストリートファニチャーを考え、実際に制作して市民にお披露目をするワークショップ。
学生たちにとっては、自分の考えたアイデアが実際に什器になるまでの全てのプロセスを体験してもらい、折尾という地域に学生が根付くきっかけや折尾駅前への愛着を持ってもらうことができました。
こ2つ目は、イベント当日に実施したコミュニティ屋台カフェ「キッサ折オ」の運営です。このカフェは、オリジナルの飲食の提供だけでなく、地元の子どもたちのための体験ワークショップなども行い、約3000人以上の大きな賑わいを生み出しました。
この2つのコンテンツの組み合わせで、改めて折尾駅が持つ社会的な役割を市民が体験する機会の提供となり、このあと始まる新しいまちづくりにも活かせる土壌が提供できたと考えています。