#ソーシャルデザイン

自治とコミュニティに向き合い、未来につなぐデザイン

Designing for Self-Governance and Community, Connecting to the Future

今の日本の地域社会では、これまでのように「地域住民だけでまちを支えていく」というやり方だけでは、なかなか立ち行かなくなってきています。地域が抱える課題に向き合い、これからのまちをよりよくしていくためには、多様な人が関わる新しい仕組みが必要とされています。
「ふくおか共創プロジェクト」は、そうした背景をふまえて、福岡市がスタートさせた先進的な取り組みです。
自治会などの地域団体と、企業や学校といったさまざまな主体が手を取り合いながら、「地域の未来をみんなでつくっていく」ことを目指しています。
私たちは、このプロジェクトの仕組みづくりから、地域での実践までをお手伝いしました。
とても幅広い地域活動を対象にしているため、大きく2つの視点からアプローチしました。
ひとつ目は、「専門的に寄り添える人」を地域に生み出すことです。
たとえば、今の担い手とこれからの担い手が出会える場をつくったり、企業の方に地域活動の魅力を伝えたり、実際に新しい活動が生まれたときには寄り添いながらサポートしたり——
こうした動きを支える専門的な役割として、「共創コネクター」という新しい職業をデザインしました。
コネクターたちは、お互いの経験を共有できる仕組みも持ち、活動を通してこの役割の社会的な意味を広げています。プロジェクト終了後も、福岡市から「共創による地域づくりアドバイザー」として任命を受け、地域団体からの依頼に応じて現場に入り、活動を続けています。
ふたつ目は、この取り組みの価値をきちんと「見える化」することです。
地域活動は、これまでどうしても身内だけで共有されがちで、広く知られる機会が少ないものでした。
そこで、プロジェクトのロゴマークや親しみやすいビジュアルを制作し、活動のたびに発信する仕組みを整えました。
また、買い物支援など成功事例が生まれた際には、その様子をSNSなどで紹介し、レポートとしてまとめて他の地域にも活かせるような広報のしくみも考えました。
「つながりたいときに、頼れる誰かがいること」
「いいことがあったら、みんなで分かち合えること」
この、あたりまえだけれど大切な2つのことが、これからの地域を支える土台になると、私たちは信じています。