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ふくおかメイドプロジェクト

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vol.16「大川家具」

09.6.7
















15 大川家具(おおかわかぐ)

時代に先んじる技術と感性

今回は、「家具のまち」として全国に知られる大川からお届けする県産品ノートです。
「大川家具」の歴史はかなり古く、室町時代、榎津久米之助が船大工の技術を元に考案した指物(家具)から始まります。江戸初期には、名工・田上嘉作が箱物を生み出すなどして基礎が固まり、製材・金具・塗装、そして木工の技術をさらに活かすことで、明治時代には大川独自の「榎津箪笥」と呼ばれる名品が誕生。大正時代には早くも機械を導入し、不況や戦争による挫折も乗り越えながら、戦後には工業デザイナー・河内諒によるモダンな「引き手なしタンス」などを擁して高度成長期に大躍進を遂げます。高い技術はもちろんですが、時代に先んじる感性があったからこそ、今日の「大川家具」の伝統と魅力が生まれたのです。
これまで着実に進んできた大川の歴史も、現代社会の生活様式や流行の変化、人々のニーズの多様化という、『新たな波』には、戸惑いもあるようです。大川地区には、県知事指定特産工芸品である「総桐タンス」や「組子」「彫刻」など、絢爛で重厚な木工家具の古くからの伝統がありますが、その高い技術のエッセンスを活かしつつ、現代のニーズに対応する柔軟性が求められています。色や?単位サイズのセミオーダーやトータルインテリアの提案にも対応できる、ライフスタイルの一部として家具を考える時代を、大川家具は目指しているのです。
製造には、コンピュータによるプログラミングなどの機器が導入されていますが、大切な作業の多くは、いまだに「人の手」によるもの。木材の欠点である節や割れなどを取り除く「木取り」、微妙な調節を必要とする木地の研磨や着色、塗装、組み立て、もちろん繊細な素材の管理や製品の検品に至るまで、確かな腕と厳しい目で作業は進んでいきます。デザインや製図においても現在ではソフトを用いるものが主流ですが、実際に線を引くのは家具を知り尽くした職人の仕事。効率の追求と手間を掛けることのバランスも、時代のニーズを汲み取り、すばやく対応するためには必要な条件なのです。
大川では、国際的に通用する製品ブランドの開発・発信にも力を入れています。2005年には、実績のあるコーディネータやデザイナーを擁し、「新しい価値の提供」を目指した新ブランド「SAJICA(サジカ)」を誕生させるなど、「大川家具」の高い技術力や機能性・デザイン性は、世界中のバイヤーが集まるヨーロッパでも好評を博しています。大小の家具工場が建ち並ぶ大川。将来を担う人材の育成に力を入れるなど、時代に挑戦する開拓精神は、昔も今も変わらず、脈々と受け継がれているのです。


取材協力:(財)大川総合インテリア産業振興センター
0944-87-0035

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