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ふくおかメイドプロジェクト

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vol.60「小倉織」

10.12.18

西日本新聞「県産品ノート」第60号(12月20日掲載)は、
“新しい”伝統工芸

「小倉織」です。

廃れてしまった伝統工芸品を、丁寧に復活させること。
そして、今の時代に合った形に再構築していくこと。

古くから愛されているものの良さをもとに
デザインしていくさまは、
「ふくおかメイドプロジェクト」の主旨ともリンクするように感じました。












約2年間、60回に及んだ連載は、これでラストとなります。


※掲載記事(修正前)は下記の通りです。


60 小倉織
「たて縞」が紡ぐ未来
 今回の県産品ノートは、北九州・小倉から、伝統的な技術と現代のセンスの融合が注目を集める「小倉織」をご紹介します。
 「小倉織」は、江戸時代初期に始まる豊前小倉藩の木綿製品として、嘉永年間の最盛期には、城下の織機を持つ家庭が3000戸以上を数え、江戸や京阪をはじめ、全国にその販路が及ぶまでになりました。人気の原点は、独特の風合いと丈夫さ。たて糸がよこ糸の3倍の密度で織りこまれ、他の生地よりも高い耐久性があり、武士の袴や帯として愛用されました。木綿とは思えない生地の艶や滑らかさも魅力で、古くは、かの徳川家康公も鷹狩りの際に小倉織の羽織で出かけたと伝えられます。
 しかし、隆盛の時期は長く続かず、その後の歴史は、時代の波に翻弄された苦難と言えるものでした。江戸後期の小倉藩による産業政策の失敗や幕末の動乱により、品質の悪化・価格の高騰をまねき、その生産は壊滅状態に。明治後期、一時はグレー無地の「霜降り」と呼ばれる生地が、男子学生の制服として、全国的に広がるなどの復活もありましたが、明治34年の金融恐慌の余波で会社化した事業も挫折。小倉市(当時)による補助も施されましたが、製造従事者はわずか4戸まで減少したと言われます。化学繊維の登場もあり、大正期に入り更に衰微、昭和初期には完全に途絶えてしまいました。  
 それから半世紀以上、小倉織の復元は、染織家・築城則子さんが、小さな古布に偶然出合ったことから始まります。たて縞のシンプルな組合せという制約された世界の美しさに魅せられ、地元の作家としてどうにか復元できないかと、現存する古い縞帳の小さな端切れを頼りに、数々の試行錯誤を繰り返します。昭和59年、小倉織は“作品”として復元に成功。その後も多くを発表し、数々の賞を受賞されています。
 築城さんの成功は、小倉織の次の展開を生みます。「機械織りという次の視点を得たことが、新たな可能性を生み出しました」と語るのは、築城さんの姪でもある(有)小倉クリエーション専務の渡部弥央さん。平成19年、これまで、草木染め・手織りで制作してきた小倉織に、機械織りによる汎用品として「縞縞SHIMA-SHIMA」ブランドをたちあげ、製造を開始しました。
 小倉織の伝統を引き継ぎ、極限まで高密度で織った最高の仕上がりを機械で実現させることで、手織りのため難しかった商品化のオファーにも対応が可能となり、?バッグや風呂敷、財布、インテリアツールなど、次々に商品展開が進んでいます。また、若いクリエーターも参加し、綿織物の可能性をさらに広めています。伝統的な地場産品の機能に、現代的なデザインを取り入れた製品は、海外でも評価を受け、パリやフランクフルトで開催された国際見本市でも注目を集めています。先人の知恵や技を今の世に紡ぎなおす、本当に優れた文化だからこそ、小倉織は長い時を越えて復活を遂げたのでしょう。

取材協力: (有)小倉クリエーション  093-561-0700

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