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vol.57「柳川神棚」

10.10.23

西日本新聞「県産品ノート」第57号(10月25日掲載)は、

知ってるつもりで意外と知らない「神棚」を紹介します。
柳川という伝統のある場所で、古くから守られている巧の技。

いまでは、ホームセンターに山積みされた中国製が幅をきかせ、
こういう生産者はとても稀少になっているそうで、
先行きの話になると、ちょっと暗い雰囲気もありました。
古賀さんは、だけど気丈に、
いつか誰かがやってくれるだろうから…。と言って、
つくり方をノートにまとめられていました。


※掲載記事(修正前)は下記の通りです。

57 柳川神棚

 今回は、知っているようで意外と知らない「神棚」についてご紹介する県産品ノートです。福岡らしいこだわりや技を垣間みる取材となりました。
まずは、その「神棚」とはどういうものか、簡単にですが確認を。古くは、日本最古の書物「古事記」(1300年程前)にも記されており、日本人の大御祖神、総氏神として日本中の信仰を集めていたことがわかります。伊勢神宮のお神札が全国に頒布され、江戸時代の中頃には、ほとんどの家庭でお祀りされていたようです。神棚を祀る時期は、年末に設置し年始めにお札を受けて祀ることが多いようですが、正式なルールはなく、家を新築した時や厄年の時、年祝の時、結婚した時や家庭に不幸が絶えない時などに新しくすることもあります。毎年取り替える地方もありますが、一般的には、5年、10年など、5年毎に区切って神棚を取り替えることが多いようです。個人的には、古く年期の入ったものがありがたく見えたりしますが、伊勢神宮が20年毎に社殿を建て替えているように、家庭の神棚も長くて20年で新しくした方がよいようです。また、古い神棚よりも少しでも大きく、造りの良いものにする方がよいとされます。神様も住み心地が大事ということなんでしょうね。その他、設置する方角やお供えなど、とても難しそうですが、実はあまり厳密ではなく、緩やかで取り入れやすいもののようです。

 「柳川の神棚づくりは、江戸時代に八女地方の仏壇職人が始めたもので、随所に仏壇作りの技法が見られるのが特徴なんです」とは、創業100年になる老舗神棚店のご主人で2代目神具師・古賀国昭さん。仏壇づくりの繊細さに由来する丁寧な仕事ぶりが、他の神棚と一線を隔しているのだそうです。半年ほど天日で乾燥させた良質の檜は、いつまでも色が変わらず香りも残り、神秘的なイメージをより一層高めています。
 しかし、「柳川神棚」も最近では、建築様式の変化で神棚を祀る家が急激に減少し、「戦前、柳川には20軒以上あった神棚店も今では残り僅か(古賀さん)」との言葉どおり、低価格の輸入品の増加も相まって、とても厳しいのが現状だそうです。古賀さんは、「太宰府型」「伊勢型」「出雲型」の3種類の神棚を作れる数少ない職人として、伝統の技法をノートに記しながら、後世に伝える努力を続けられています。最初は遊び心で作ったという宝くじを入れるための神棚が、よく当たると人気を博しているのも、氏のひたむきさによるものかもしれません。
 毎年11月はじめには、柳川が誇る詩人北原白秋を偲ぶ「白秋祭」でにぎわいます。掘割に浮かぶ「どんこ舟」を眺めながら、日本古来の風習に想いを寄せるのも、情緒ある心地よいひとときですね。



取材協力:古賀神棚店 0944-72-4461

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