Crik Press

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四万十プロジェクト

PROJECT

四万十川に行きたくなるメディア

19.8.6


皆さんは今年の夏、どんな“旅”がしたいですか?豪華な海外旅行、南の島なんていうのもいいかもしれませんね。行く前からガイドブックを読んでは「これも見たい」「あれもやってみたい」とこれからの“旅”に思いをはせるのも、また楽しい時間です。

せっかくの観光地、余すところなく楽しみたいですよね。もしあなたが観光で初めての土地に訪れたとしたら何が必要でしょうか?土地に不案内だったとしても、今はGoogle Mapさえあればどんなところに行くにも簡単かもしれません。それでも知らない道を歩いているとき、パッと目に付くサインや、旅のお供になるパンフレットがあったなら−そしてそれが土地の魅力を表現したものだったらなら−旅はもっと楽しくなるでしょう。

四万十川ではよく見られる沈下橋。柵がなくて落ちそうでちょっとコワいかも…

今回取り上げるCRIKの仕事は、四万十川で有名な、四国・高知県の四万十市との『観光』にまつわるものです。お客さんはもとより、お客さんを迎える地元の人もずーっと楽しめる『観光』が作っていける「デザインの最適化」を行いました。

ことの始まりは四万十市で活動されているサイクルガイドさんたちに向けて行った、「広報」のワークショップでした。地域の魅力の伝え方をみんなで考える輪の中に、今日までの四万十市とのお仕事で、お付き合いの続くキーパーソンの方がいらっしゃいました。その方の、地元・四万十の観光について「なんとかしたい!」という想いを受け、まずは観光サイン(「△■寺まで200m」と書いている案内看板)のお仕事を一緒にすることになりました。
四万十市内の観光スポットへ向かう道中に設置されていたサインを統一感あるものにデザインし直しました。サインのビジュアルでは四万十川の揺蕩う水面、清流ではあるけれど深いブルーを表現しました。

主張し過ぎずそっと立つサイン

お仕事を始めた当時、現地でサインの現状を調査した時は、作られた時期もテイストも様々なサイン群でした。そのサインを作った人にとっては不本意ではあると思うのですが、時間の経過とともにテイストがレトロに感じられたり、ボロボロになって物理的な限界を迎えていたり。お客さんの利便性のためにもデザインが求められていました。
単純にサインの版面だけをデザインするのではなく、フォントを決め、仕様書やデザインコードも付したグランドデザインとして納品しました。将来「ここにもサインが必要だな」となった時、四万十市の方が自分たちでも作れる仕組みです。生きた観光地として変わり続けていくために最適化しています。

サインの次は、二つの紙メディア「高知県四万十市公式観光パンフレット(A3二つ折り)」と「しまんとひゃく 四万十でしたい100のこと」を作成しました。地元のひとたちへのヒアリングから見えてきた「川とともに生きるまち」という四万十を表すキーワード、それが伝わるメディアが必要とされていました。

川の様に連続性のあるデザインで繋がる2誌

まずは四万十市の外にいる人たちへ、四万十市がどんなところなのかを伝えないといけません。本当に大きく、雄大な流れをなす四万十川は都会を流れる「川」とは全くの別物。そして「まずは乾杯(そして返杯)」の人懐っこい地元の人たち。二つの四万十市の魅力を大きくフューチャーした両A面仕様のパンフレットは、都会で疲れた人々を四万十へ誘います。
そして四万十市へいらっしゃた方向けの「しまんとひゃく 四万十でしたい100のこと」では、観光パンフレットとしてはある意味不親切とも思われるほど説明が省かれています。シンプルに「いま体験してほしい100のこと」を表すワンフレーズと写真が、紙面に所狭しと並んでいます。「とにかく来たんだから、これをやってみてよ、わかんないことがあったら、四万十の人、誰に聞いてもいいから」という四万十の人たちのホスピタリティー溢れるおもてなし気質との合わせ技での観光体験を提案するメディアになっています。「四万十川でSUPを体験する」といった今時なものも取り上げられている中、「料理上手なお母さんたちと郷土料理を作る」や「西土佐運動会に出場」といった地元の方との濃厚な交流ができそうなものもちらほら。ぜひ「リピーターバッジをもらう」は達成したいですね。

その後も四万十市とのおつきあいは続いています。今も動いているお仕事、四万十をめぐる旅を魅せるサイト「四万十の小さな旅 くねくね」の制作です。

小さな旅をご紹介しています(注:画像は開発中のものです。

「くねくね」と蛇行する四万十川が通る四万十市の町並みを「くねくね」歩く小さな旅。四万十川にかかる沈下橋、お寺や神社などのメジャーどころから、地元の人たちにもあまり知られていなかった石碑や史跡、川の合流地点や微高地などブラ◯モリ的な場所までが取り上げられています。四万十川だけじゃない、リピーターもディープに楽しめる四万十のスポットを、歩いて廻ることができるスケールで繋いで“小さな旅”を提案していきます。
このサイトのために現地撮影の際にも新しく貴重な石碑が見つかったりしました。日々その魅力を更新し続ける観光地、四万十。いつかはおとずれるお客さんもディープな魅力を発見し「いいね♪」とシェアできたりすると、迎える地元の人も楽しみ続けられるメディアに育っていくかもしれません。こちらは今後のアップデートを随時チェックしていただけたらと思います。

川を遊ぶ。グラウンドよりも広い遊び場

前出サイト「くねくね」より。川の恵みが食になって人の生活とつながる

「乾杯!」「返杯!」

「川とともに生きるまち」と言う言葉で表現されているのは、川とそれを作る地形という自然と、そこに生きるひとの生活が作る文化です。川と人との間の営みを、何百年も続く歴史的なスケールからも、今そこに生きる地元の人たちの生活からも感じることができます。ただ消費されるだけの『観光』ではなく、地元の方もお客さんも日々新たな魅力を見つけ・作っていく『観光』。今回は四万十市という素敵なまちをパートナーに、観光の一端に「デザインの最適化」を行いました。四万十市に限らず、まだまだ魅力を秘めた観光地は日本中にあるでしょう。この新しい『観光』を世の中に広げていけるのではないかと思います。

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