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ふくおかメイドプロジェクト

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vol.34「マルティグラス」

10.2.14
















34 マルティグラス

重なり合う色彩

今回は、透き通った美しいガラスに込めた熱い思いをお伝えする県産品ノートです。ガラス工芸に詳しくない方にも、この「マルティグラス」の特徴は覚えていただけると思います。その特徴とはズバリ、色を重ねること。ガラスづくりで、ひとつのガラスの上に別の色のガラスを重ね合わせる技法は、昔からあるそうですが、「Multiple Layer Glass=多層積層硝子」というその名の由来からも分かるように、「マルティグラス」は、それをオリジナリティ豊かな発想で進化させたものです。つまり、色が重なっているガラス工芸品は、「マルティグラス」である可能性が高いということです。さらにすすめると、色を重ねるといっても、一般的なものは、メイン色ともう一色程度なのだそうですが、「マルティグラス」では、数種類の色ガラスあるいは性質の違う色ガラスを何層にも重ね、色と形状、そして見る角度の光の反射によって、さまざまに変化する表情を生み出します。誕生は、およそ90年前の大正8 年。昭和12年(1937年)のパリ万国博覧会では、日本の工芸ガラスとして初めてのグランプリを受賞しています。その後の長い歴史の中で、その品質の高さや技術は磨かれ、完成度を高めていきますが、その進化は「大量生産化」にはすすまず、創業当時から現在に至るまで、一品一品すべて手作りというポリシーを熟練のガラス職人たちの手によって守り続けています。伝統に根づいた「工芸品」として、また作り手の気持ちがこもった「作品」として、現在にその姿をとどめています。
「すべてが手作りだから、同じものはできません。どれも世界で一つなんです。」とは、熟練の職人の一人である杉岡良紀さん。取材時、工房に併設された店舗内には、寅のオーナメント(今年の干支ですね)が数多く並んでいましたが、それぞれは、色の重なり方やラインの美しさなど、個々に違った表情があり、その一つ一つに職人の息づかいが伝わってくる楽しさがありました。熱を加える以前は、ただの「色の塊」でしかないものを長年の実践で習得したスキルと感性によって、重ね合わせ仕上げていく光景は、確かにクラフトマンシップがあってこそ成しえるもの。毎日の生活で使える器から、美術作品として飾れるオブジェまで、伝統と革新の連続がカラフルに重なり合っていくようです。

取材協力: 有限会社マルティグラス
0940-34-5370

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